第6次改定日本人の栄養所要量
食事摂取基準

エネルギー所要量 生活活動強度の区分 脂質所要量  たんぱく質所要量 ビタミン摂取基準 レチノール当量 
α-トコフェロール当量 ナイアシン当量 無機質(ミネラル)摂取基準 カルシウム・鉄基準 食塩摂取 食物繊維


  日本人の栄養所要量は、健康人を対象として、国民の健康の保持・増進、生活習慣病予防のために標準となるエネルギー及び各栄養素の摂取量を示すものである。
  栄養欠乏症を予防する観点から、特定の年齢層や性別集団の必要量を測定し、その集団における50%の人が必要量を満たすと推定される1日の摂取量を「平均必要量」とした。「栄養所要量」は、特定の年齢層や性別集団のほとんどの人(97〜98%)が1日の必要量を満たすのに十分な摂取量であり、原則として「平均必要量+標準偏差の2倍(2SD)」で表される。また、平均必要量を算定するのに十分な科学的知見が得られない場合は、特定の集団においてある一定の栄養状態を維持するのに十分な量を所要量として用いることとした。
  一方、過剰摂取による健康障害を予防する観点から、特定の集団においてほとんどすべての人に健康上悪影響を及ぼす危険のない栄養素摂取量の最大限の量を「許容上限摂取量」とした。これらの数値を総称して「食事摂取基準」とする。


表1 年齢区分別 体位基準値


年 齢
(歳)
身 長(cm)
男 女
体 重(kg)
男 女
0〜(月) 61.7 6.4
6〜(月) 70.7 8.5
1〜2 83.6 11.5
3〜5 102.3 16.4
6〜 8 121.9 120.8 24.6 23.9
9〜11 139.0 138.4 34.6 33.8
12〜14 158.3 153.4 47.9 45.3
15〜17 169.3 157.8 59.8 51.4
18〜29 171.3 158.1 64.7 51.2
30〜49 169.1 156.0 67.0 54.2
50〜69 163.9 151.4 62.5 53.8
70以上 159.4 145.6 56.7 48.7



表2 生活活動強度別 エネルギー所要量 (kcal/日)
年 齢
(歳)
生 活 活 動 強 度
I (低い) II(やや低い) III (適度) IV (高い)
0〜(月) 110〜120kcal/kg
6〜(月) 100kcal/kg
1〜2 1,050 1,050 1,200 1,200
3〜5 1,350 1,300 1,550 1,500
6〜8 1,650 1,500 1,900 1,700
9〜11 1,950 1,750 2,250 2,050
12〜14 2,200 2,000 2,550 2,300
15〜17 2,100 1,700 2,400 1,950 2,750 2,200 3,050 2,500
18〜29 2,000 1,550 2,300 1,800 2,650 2,050 2,950 2,300
30〜49 1,950 1,500 2,250 1,750 2,550 2,000 2,850 2,200
50〜69 1,750 1,450 2,000 1,650 2,300 1,900 2,550 2,100
70以上 1,600 1,300 1,850 1,500 2,050 1,700
妊婦 +350 kcal
授乳婦 +600 kcal

1.生活活動強度の判定については、参考表「生活活動強度の区分(目安)」を参照されたい。
2.生活活動強度が「I(低い)」または「II(やや低い)」に該当する者は、日常生活活動の内容を変えるかまたは運動を付加することによって、生活活動強度「III(適度)」に相当するエネルギー量を消費することが望ましい。
3.食物繊維の摂取量は成人で20〜25g(10g/1,000kcal)とすることが望ましい。
4.糖質の摂取量は総エネルギー比の少なくとも50%以上であることが望ましい。



参考表 生活活動強度の区分(目安)
生活活動強度
と指数(基礎
代謝量の倍数)
日常生活活動の例 日常生活の内容
生活動作 時 間
I
(低い)
1.3
安 静 12 散歩、買物など比較的ゆっくりした1時間程度の歩行のほか大部分は座位での読書、勉強、談話、また座位や横になってのテレビ、音楽鑑賞などをしている場合。
立 つ 11
歩 く
速 歩
筋運動
II
(やや低い)
1.5
安 静 10 通勤、仕事などで2時間程度の歩行や乗車接客、家事等立位での業務が比較的多いほか大部分は座位での事務、談話などをしている場合。
立 つ
歩 く
速 歩
筋運動
III
(適 度)
1.7
安 静 生活活動強度II(やや低い)の者が1日1時間程度は速歩やサイクリングなど比較的強い身体活動を行っている場合や、大部分は立位での作業であるが1時間程度は農作業、漁業などの比較的強い作業に従事している場合。
立 つ
歩 く
速 歩
筋運動
IV
(高い)
1.9
安 静 1日のうち1時間程度は激しいトレーニングや木材の運搬、農繁期の農耕作業などのような強い作業に従事している場合。
立 つ
歩 く
速 歩
筋運動

注)生活活動強度II(やや低い)は、現在国民の大部分が該当するものである。
生活活動強度III (適度)は、国民が健康人として望ましいエネルギー消費をして、活発な生活行動をしている場合
であり、国民の望ましい目標とするものである。




表3 脂質所要量

年 齢
(歳)
脂肪エネルギー比率
(%)
0〜(月) 45
6〜(月) 30〜40
1〜17 25〜30
18〜69 20〜25
70以上 20〜25
妊婦、授乳婦 20〜30

1.飽和脂肪酸(S),一価不飽和脂肪酸(M),多価不飽和脂肪酸(P)の望ましい摂取割合はおおむね3:4:3を目安とする。
2.n−6系多価不飽和脂肪酸とn−3系多価不飽和脂肪酸の比は、健康人では4:1程度を目安とする。

表4 たんぱく質所要量 (g/日)

年 齢
(歳)
0〜(月) 2.6/kg
6〜(月) 2.7/kg
1〜2 35
3〜5 45
6〜8 60 55
9〜11 75 65
12〜14 85 70
15〜17 80 65
18〜29 70 55
30〜49 70 55
50〜69 65 55
70以上 65 55
妊婦 +10g
授乳婦 +20g



表5 ビタミン摂取基準

年 齢
(歳)
ビ タ ミ ン A
所要量 許容上限摂取量
男 女
0〜 (月) 300μgRE*(1,000IU) 1,200μgRE(4,000IU)
6〜 (月) 300μgRE (1,000IU) 1,200μgRE(4,000IU)
1〜2 300μgRE (1,000IU) 1,200μgRE(4,000IU)
3〜5 300μgRE (1,000IU) 1,200μgRE(4,000IU)
6〜8 350μgRE(1,200IU) 350μgRE(1,200IU) 1,200μgRE(4,000IU)
9〜11 450μgRE(1,500IU) 450μgRE(1,500IU) 1,200μgRE(4,000IU)
12〜14 600μgRE(2,000IU) 540μgRE(1,800IU) 1,500μgRE(5,000IU)
15〜17 600μgRE(2,000IU) 540μgRE(1,800IU) 1,500μgRE(5,000IU)
18〜29 600μgRE(2,000IU) 540μgRE(1,800IU) 1,500μgRE(5,000IU)
30〜49 600μgRE(2,000IU) 540μgRE(1,800IU) 1,500μgRE(5,000IU)
50〜69 600μgRE(2,000IU) 540μgRE(1,800IU) 1,500μgRE(5,000IU)
70以上 600μgRE(2,000IU) 540μgRE(1,800IU) 1,500μgRE(5,000IU)
妊婦 + 60μgRE (200IU) 1,500μgRE(5,000IU)
授乳婦 +300μgRE(1,000IU) 1,500μgRE(5,000IU)



*RE:レチノール当量

年 齢
(歳)
ビ タ ミ ン D ビ タ ミ ン E
所要量 許容上限摂取量 所要量(mgα-TE*) 許容上限摂取量
(mgα-TE*)
男 女
0〜 (月) 10μg (400IU) 25μg(1,000IU) 3 200
6〜 (月) 10μg (400IU) 25μg(1,000IU) 3 200
1〜2 10μg (400IU) 50μg(2,000IU) 5 300
3〜5 10μg (400IU) 50μg(2,000IU) 6 400
6〜8 2.5μg(100IU) 50μg(2,000IU) 6 6 400
9〜11 2.5μg(100IU) 50μg(2,000IU) 8 8 500
12〜14 2.5μg(100IU) 50μg(2,000IU) 10 8 600
15〜17 2.5μg(100IU) 50μg(2,000IU) 10 8 600
18〜29 2.5μg(100IU) 50μg(2,000IU) 10 8 600
30〜49 2.5μg(100IU) 50μg(2,000IU) 10 8 600
50〜69 2.5μg(100IU) 50μg(2,000IU) 10 8 600
70以上 2.5μg(100IU) 50μg(2,000IU) 10 8 600
妊婦 + 5μg(200IU) 50μg(2,000IU) +2 600
授乳婦 + 5μg(200IU) 50μg(2,000IU) +3 600



*α-TE:α-トコフェロール当量

年 齢
(歳)
ビ タ ミ ン K ビ タ ミ ン B1
所要量(μg) 許容上限摂取量
(μg)
所要量(mg) 許容上限摂取
男 女 男 女
0〜 (月) 5 5,000 0.2
6〜 (月) 10 5,000 0.3
1〜2 15 10,000 0.5
3〜5 20 14,000 0.6
6〜8 25 25 17,000 0.8 0.7
9〜11 35 35 22,000 1.0 0.8
12〜14 50 50 27,000 1.1 1.0
15〜17 60 55 28,000 1.2 1.0
18〜29 65 55 30,000 1.1 0.8
30〜49 65 55 30,000 1.1 0.8
50〜69 65 55 30,000 1.1 0.8
70以上 55 50 30,000 1.1 0.8
妊婦 +0 30,000 +0.1
授乳婦 +0 30,000 +0.3

年 齢
(歳)
ビ タ ミ ン B2 ナ イ ア シ ン
所要量(mg) 許容上限摂取量 所要量(mgNE*) 許容上限摂取
(mg)
男 女 男 女
0〜 (月) 0.2 2 **
6〜 (月) 0.3 4
1〜2 0.6 8 10
3〜5 0.8 9 15
6〜8 1.0 0.8 12 10 20
9〜11 1.1 1.0 14 13 20
12〜14 1.2 1.1 16 14 30
15〜17 1.3 1.1 17 14 30
18〜29 1.2 1.0 17 13 30
30〜49 1.2 1.0 16 13 30
50〜69 1.2 1.0 16 13 30
70以上 1.2 1.0 16 13 30
妊婦 +0.2 +2 30
授乳婦 +0.3 +4 30



*NE:ナイアシン当量 **単位:mg
年 齢
(歳)
ビ タ ミ ン B6 葉 酸
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
所要量(μg) 許容上限摂取
(μg)
男 女
0〜 (月) 0.1 40
6〜 (月) 0.1 50
1〜2 0.5 30 70 300
3〜5 0.6 40 80 400
6〜8 0.8 0.7 50 110 500
9〜11 1.1 0.8 70 140 600
12〜14 1.4 1.1 90 180 800
15〜17 1.6 1.2 90 200 900
18〜29 1.6 1.2 100 200 1,000
30〜49 1.6 1.2 100 200 1,000
50〜69 1.6 1.2 100 200 1,000
70以上 1.6 1.2 100 200 1,000
妊婦 +0.5 100 +200 1,000
授乳婦 +0.6 100 +80 1,000

年 齢
(歳)
ビ タ ミ ン B12 ビ オ チ ン
所要量(μg) 許容上限摂取量 所要量(μg) 許容上限摂取量
0〜 (月) 0.2 5
6〜 (月) 0.2 6
1〜2 0.8 8
3〜5 0.9 10
6〜8 1.3 14
9〜11 1.6 18
12〜14 2.1 22
15〜17 2.3 26
18〜29 2.4 30
30〜49 2.4 30
50〜69 2.4 30
70以上 2.4 30
妊婦 +0.2 +0
授乳婦 +0.2 +5

年 齢
(歳)
パ ン ト テ ン 酸 ビ タ ミ ン C
所要量(mg) 許容上限摂取量 所要量(mg) 許容上限摂取
0〜 (月) 1.8 40
6〜 (月) 2.0 40
1〜2 2.4 45
3〜5 3 50
6〜8 3 60
9〜11 4 70
12〜14 4 80
15〜17 4 90
18〜29 5 100
30〜49 5 100
50〜69 5 100
70以上 5 100
妊婦 +1 +10
授乳婦 +2 +40


表6 無機質(ミネラル)摂取基準

年 齢
(歳)
カ ル シ ウ ム
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
男 女 男 女
0〜 (月) 200 6 10
6〜 (月) 500 6 15
1〜2 500 7 20
3〜5 500 8 25
6〜8 600 600 9 9 30
9〜11 700 700 10 10* 35
12〜14 900 700 12 12 35
15〜17 800 700 12 12 40
18〜29 700 600 2,500 10 12 40
30〜49 600 600 2,500 10 12** 40
50〜69 600 600 2,500 10 12** 40
70以上 600 600 10 10 40
妊婦 +300 2,500 +8 40
授乳婦 +500 2,500 +8*** 40

*11歳女子は12mg/day **閉経後10mg/day
***分娩後6ヶ月間

年 齢
(歳)
リ ン マグネシウム
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
男 女
0〜 (月) 130 25
6〜 (月) 280 30
1〜2 600 60 130
3〜5 700 80 200
6〜8 900 120 120 250
9〜11 1,200 170 170 500
12〜14 1,200 240 220 600
15〜17 1,200 290 250 650
18〜29 700 4,000 310 250 700
30〜49 700 4,000 320 260 700
50〜69 700 4,000 300 260 650
70以上 700 280 240 650
妊婦 +0 4,000 +35 700
授乳婦 +0 4,000 +0 700



年 齢
(歳)
カリウム
所要量(mg) 所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
男 女 男 女
0〜 (月) 500 0.3
6〜 (月) 700 0.7
1〜2 900 0.8
3〜5 1,100 1.0
6〜8 1,350 1,200 1.3 1.2
9〜11 1,550 1,400 1.4 1.4
12〜14 1,750 1,650 1.8 1.6
15〜17 2,000 2,000 1.8 1.6
18〜29 2,000 2,000 1.8 1.6 9
30〜49 2,000 2,000 1.8 1.6 9
50〜69 2,000 2,000 1.8 1.6 9
70以上 2,000 2,000 1.6 1.4
妊婦 +0 +0.4 9
授乳婦 +500 +0.6 9

1.食塩摂取量、高血圧予防の観点から、150mg/kg/日未満とし、15歳以上では10g/日未満することが望ましい。
2.カリウム摂取量は、高血圧予防の観点から、15歳以上では3500mg/日とすることが望ましい。


年 齢
(歳)
ヨ ウ 素 マ ン ガ ン
所要量(μg) 許容上限
摂取量
(mg)
所要量(mg) 許容上限
摂取量
(mg)
男 女
0〜 (月) 40 0.003
6〜 (月) 50 1.2
1〜2 70 1.8
3〜5 80 2.5
6〜8 100 3 3.0 3.0
9〜11 120 3 3.5 3.0
12〜14 150 3 3.5 3.0
15〜17 150 3 4.0 3.0
18〜29 150 3 4.0 3.0 10
30〜49 150 3 4.0 3.5 10
50〜69 150 3 4.0 3.5 10
70以上 150 3 3.5 3.0
妊婦 +25 3 +0 10
授乳婦 +25 3 +0 10

年 齢
(歳)
セ レ ン 亜 鉛
所要量(μg) 許容上限摂取量
(μg)
所要量 (mg) 許容上限摂取
(mg)
男 女 男 女 男 女
0〜 (月) 15 1.2*
6〜 (月) 20 4
1〜2 25 5
3〜5 35 6
6〜8 40 40 6 6
9〜11 50 45 7 7
12〜14 55 50 8 8
15〜17 60 45 250 10 9
18〜29 60 45 250 11 9 30
30〜49 55 45 250 12 10 30
50〜69 50 45 250 11 10 30
70以上 45 40 250 10 9
妊婦 + 7 250 +3 30
授乳婦 +20 250 +3 30

*人工乳の場合は3mg/day

年 齢
(歳)
ク ロ ム モ リ ブ デ ン
所要量(μg) 許容上限摂取量
(μg)
所要量(μg) 許容上限摂取
(μg)
男 女 男 女
0〜 (月) -
6〜 (月) -
1〜2 16 60 6 60
3〜5 20 80 8 80
6〜8 25 25 120 12 12 120
9〜11 30 30 150 15 15 150
12〜14 35 30 200 20 20 200
15〜17 35 30 250 30 25 250
18〜29 35 30 250 30 25 250
30〜49 35 30 250 30 25 250
50〜69 30 25 250 30 25 250
70以上 25 20 200 25 25 200
妊婦 +0 250 +0 250
授乳婦 +0 250 +0 250
照会先:厚生省保健医療局生活習慣病対策室
食物繊維(g)成人1日あたりの目標量 男性:20g 女性:17〜18g